品品喫茶譚

暇さえあれば喫茶店に行く。テーブルの上に古本屋で買った本を広げて、珈琲を飲む。ぼーっと窓の外の風景を眺める。 初めて訪れた街では喫茶店を探し、住み慣れた街に新しい喫茶店を見つけては歓喜する。 喫茶店を中心とした日々の生活記録。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

品品喫茶譚第29回「尾道 山斗須~ふたたびのそごう 前篇」

半年ぶりに訪れた尾道はすっかり夏。 今年の一月に一週間ほど滞在したこの街にはもはや来るというよりも帰ってきたという言い方のほうがしっくりくる。しかし、しっくりきているのは自分だけかもしれない。風は強く、荷物は重い。海沿いのベンチで少し水分補…

品品喫茶譚第29回「尾道 山斗須~ふたたびのそごう 前篇」

半年ぶりに訪れた尾道はすっかり夏。 今年の一月に一週間ほど滞在したこの街にはもはや来るというよりも帰ってきたという言い方のほうがしっくりくる。しかし、しっくりきているのは自分だけかもしれない。風は強く、荷物は重い。海沿いのベンチで少し水分補…

品品喫茶譚 第28回『西院 ブルーマウンテン』

百万遍のカフェコレクションでバジリコスパゲティを食し、古書善行堂によると、私は勢いよく坂を自転車で下っていった。 西院に着いたのは夕刻、十六時。夜に知人のライブを観に行くまでの間、喫茶店に入ったり、場合によっては何処か近くの飲み屋で一杯ひっ…

品品喫茶譚 第27回『今出川 キャンパス』

その喫茶店はいつも通る道の近くにあったにも関わらず、ずっとスルーしていた。というか存在自体が目に入っていなかった。一緒に行った彼女に聞くと、一時期閉店していたこともあるらしく、なるほどそれでは気づかなくてもおかしくはなかった。しかし、私の…

品品喫茶譚 第26回『ルノアール高円寺北口駅前店~阿佐ヶ谷ニューシャドー③』

久しぶりの人との長く楽しい夜を経て、次の日の朝はショパンから始まった。ショパンというのは淡路町の喫茶店であり、私の泊まっていたホテルからすぐ近くなのである。前回、次も飲むところから始まると思わせぶりに、というか、オチをつけるために無理矢理…